【千葉ロッテ新人チェック】土肥が目立つ

開幕までおよそ2週間、

勝利に沸くWBCもいよいよ佳境に入り、

本格的な野球シーズンの足音がそこまで

聞こえてきている。

オープン戦が開幕しておよそ半月。

新戦力の実力が徐々に発揮され始めている頃合い。

以前に動画サイトでチェックした動きと

だいぶ印象が変わっているので、

改めて見てみたい。

ちなみに以前の投稿はこちら

千葉ロッテ】 ドラフト7人+育成2人 【ドラフト成功】

やはり注目はドラフト1位の佐々木千隼。

キャンプ中の自分の投球探し発言から、

精神的に石川二世のような「ネガティブ探求者」といった

性格が表に現れてきた。

大学時代に教えていた元横浜の野村氏が、

佐々木はまだ「未完成の投手」という発言をしており、

伸びしろたっぷりな分、確固たる道を持っておらず、

紆余曲折をしている最中なのであろう。

しかしながらその状態でオープン戦で結果を出すあたり、

ドラフト1位の片りんを見せつけている。

何と言っても指に掛かった時のストレートは威力があり、

大きく曲がるスライダーとシンカーのコンビネーションは、

捕手のリードの見せ所となるだろう。

伊東監督から早くも課題として「左打者のシンカー封印」を

言われたそうだが、これは恐らく投球の幅を広げる為の

さらなる成長を促されている事なのだろう。

またシュート回転のストレートや、曲がりの速い変化球など

細かい課題はあるだろうが、フィールディングや

マウンドさばきも落ち着いており、その部分でもやはり一級品。

シーズンも確実に活躍してくれるだろう。

ドラ2の酒居に関しては、どうにも実践を投げている姿に出会えず

未だにどういう投手かが掴めていない。

結果を見ると苦しい戦いをしているようだ。

動画サイトで見たスピンの利いたストレートと鋭いフォークは

扱えていないのか?期待していただけにこの結果はちょっと複雑。

ドラ3の島とドラ6の種市は高卒ルーキーで、

実戦まではまだ少し時間がかかるだろう。

島に関しては、他球団ではあるが千賀のような投手を

目標にしてもらいたい。

球のスピードがある投手はやはり魅力的だ。

そして予想を見事に裏切ってくれたのが、

ドラフト4位の土肥である。

高卒で社会人となっており、年齢的にも未だ若い事から

素材型と勝手に思っていた。

現に動画サイトでも粗削りなピッチングで、

見た目にも線の細さを感じていた。

しかしオープン戦で見かけると

小気味のいい投球を繰り返していた。

テイクバックが特徴的なフォームで、

クロスファイヤで決まる右打者の内角ストレートは

かなり磨かれている印象、その投げミスがほとんど無い。

そしてチェンジアップも精度が高く、空振りをとれる。

この投球が続くようであれば、セットアッパーとしても面白い。

投手陣は層が厚いが、左のセットアッパーに関しては

松永、藤岡とやや制球に難がある投手となってしまう。

現状枠が無いが、この投球内容は先発でも面白いはず。

どの枠を勝ち取るか注目だ。

ドラフト5位の有吉は、キャンプでコントロール

絶賛されていたが、実戦ではやや苦戦。

実際に観た内容は追い込んでも決めきれない、

苦しい投球内容であった。

プロを凡打に出来る決め球が身につかないと難しいか。

使い減りしなさそうな体つきなので、

試合で一芸を磨いてほしい。

ドラフト7位の宗接はキャンプが1軍スタートであった。

かなり飛ばしそうなスイングと体つきで、

伊東監督が目をつけていた。

キャッチャーとしての経験値を今は積む段階であろうから、

様々な試合に出て、観て、考えて、実戦に活かしてほしい。

丁度2軍監督が捕手育成に定評のある福沢さんになったので、

これはチャンスであろう。

ひょっとすると田村を脅かす存在になるかもしれない。

育成ドラフト1位の安江は情報がない。

まずは浦和で結果を残すところからか。

だが意外にも、今シーズンの浦和の投手陣も豊富。

ここでも競争しなければいけないという、

選手としては大変な状況であろう。

支配下登録はまだ3枠あるはずだから、

焦らずに結果を残してほしい。

育成ドラフト2位の菅原はやはりフルスイングが魅力。

キャンプの打撃練習で見せたそのスイングは

観ていて気持ちが良かったが、怪我をした模様。

素人の自分でもそうだが、体全体を使ったフルスイングは

広背筋に負担が物凄くかかる。

また腰のねじれも圧が強く、これを売りにする選手の

体の強じんさに驚かされる。

菅原は怪我がクセにならないよう、自分の魅力を磨いてほしい。

ロッテにはいないタイプなので、巌コーチを師事して

あの筒香のように・・なってくれたら最高だ。

資金が潤沢でない球団は、新人選手の出来でチーム力が

左右してしまう。

だが今シーズンは期待のできる面々が揃った事は間違いない。

ここに何カ年計画の若い選手たちが加わり、

選手層の底上げをしてほしい。