運と実力とずる賢さと

今江、クルーズが他球団に旅立ち、現在2ポジションが空いた状態となっている。

一度に2ポジションなので、選手としてはラッキー過ぎる展開だ。

レギュラーは捕手は1人、内野手は4人、外野手は3人、指名打者が1人である。

昨今の野球は分業制が進んでいるとはいえ、規定打席に到達する選手がやはり評価され、

その選手がレギュラークラスとしてチームの顔となっていく。

レギュラーが4人中2人がいなくなった状態は、十年に一度あるか無いかの状態とも言えよう。

この運を実力でもってつかむ選手が果たして誰になるのか。

新外国人ナバーロを筆頭に、中村、高濱、細谷、三木のバックアップ要員からのステップアップや、

青松、香月一、平沢、大嶺翔太の一気のブレークが果たしてあるのか。

どちらにしても、かなりラッキーな状態なので、

しゃにむにポジションを争って欲しい。

千葉ロッテにおける過去を振り返ると、近いところで10年はレギュラーが安泰と言われた、

西岡剛が抜けた穴はかなりの幸運であったが、鈴木大地まで誰もその運を掴めなかった。

さらには里崎が抜けた際に、捕手3人によるトロイカ体制から、

大外一気で抜に出た田村が現在運を掴みかけている。いや掴んだか。

運と実力、この両方を兼ね備える。レギュラー獲得する為、それに加えたいのが「ずる賢さ」だ。

これを持たなければ、レギュラークラスにはなれない。

将来性と実力、そして運に恵まれながらも、田村の台頭で影がすっかり薄くなった江村。

仕事相手である投手から信頼をしっかりと勝ち取れば、投手から捕手の指名が入りやすいだろうし、

里崎が現在よく言うように、打撃で少し抜きに出ればレギュラーになれるという言葉は、

皆と同じ練習をするのではなく、頭一つ抜き出せる練習や考え方を実践しろというメッセージであろう。

これをしたたかに行っていれば、昨年田村や吉田を押さえて、しっかりレギュラーポジションに収まっていた。

また西岡の穴を懸命に埋めようと全力プレーをして大けがを負った早坂にしても、

当時急造ショート+怪我明けの荻野貴司を使わざるを得ない状況下、他にライバルが不在であったが為に、

ずる賢く安全プレーを行っていれば、レギュラーがすぐにでも掴めたはずだ。

一生懸命やるという事は、見ている側からしたら清々しく、気持ちが良いものだ。

しかしチームの勝利という共通目標を持ちながらも、個人事業主たちが集まるプロ野球の世界は、

したたかにずる賢く渡っていく必要が大いにあると考える。

マラソン大会で、一緒に走ろうと言いつつもぶっちぎってしまうようなずる賢さが欲しい。

何となく現状のキャンプを見ていて、細谷はそれに気づいたかもしれない。

広報のカメラにピースをしながら、グラウンドの銭を拾いに行こう。