惜別 山本功児

「元巨人山本氏死去」

昨日の夕方頃、トピックにこの文言が表示された。

はじめピンと来なかったが、次の瞬間に衝撃を覚えた。

この人物は山本マリンズを率いた山本功児氏であった。

昨年のドラフトで注目を集めた山本武白志選手の父親として、

テレビでその姿を見た際に、ずいぶん痩せてしまった印象を

受けていた矢先のこと。

私は山本功児の監督時代しか知らない。

1999年から2003年シーズンの5年間。

18連敗をした1998年、「もっと強いチームで監督をしたかった」

と前任者に言われたチームを翌年から率いた。

とにかく熱い男で、イチローから自軍の投手をくさされると

すぐさま反応して罵倒したり、オープン戦に暴言で退場したり、

当時日ハムの監督であった大島監督とベンチ同士で口論したり、

自軍のストッパーが当時西武の東尾監督に中指を突き立てたりと、

枚挙にいとまがない。

その熱い魂は育成していた選手にも注がれ、荒廃していた大地が

徐々に蘇っていくように、生え抜き選手を大成させていった。

ライト福浦や先発と中継ぎを一挙に入れ替えることなど、

パルプンテ采配は度肝を抜かれたが、これが功を奏し、

ストッパー小林雅英が生まれた。

また福浦、サブロー、大塚明、里崎を一人前まで持っていった

功績は彼のモノだろうし、優勝時の10勝セクステッドのうち

清水直、小野晋吾小林宏渡辺俊介の4人は、

パルプンテ采配も絡めて彼が見出していた。

Aクラスは無かったが、着実にチームの顔を育てあげてくれた。

選手よりも大柄な体で、サヨナラなどのシーンでは選手以上に

飛び跳ねたりしていた。そんな熱い監督。

元ロッテの山本功児氏として。

謹んでご冥福をお祈りいたします。