5/6-8 対オリックス3連戦 ~失敗を取り返せ!~

小さな球を投げて細い棒で遠くに飛ばす。

その球は手から離れている時間が長く、

コントロール下に置く事は難しい。

その難しさが優劣を生み出し、面白さを生む。

野球は失敗するスポーツだ。

だが、その失敗を何とかするスポーツでもある。

5/6 先発 唐川 VS. 金子

結果 ● 0-5

小雨が降りしきる中、開幕から出遅れていた

唐川がシーズン初先発。

前に2軍で大炎上していた事を思えば、

140km超の力感あるストレートを操っていた

今回のピッチングは、彼の修正能力を物語っている。

しかしながら相手はエース。

散発の4安打に抑え込まれ、完封リレーを喰らう。

また藤岡が、藤岡らしい炎上の仕方をして万事休す。

唐川の完全復活は、勝ち星がついてからだ。

5/7 先発 スタンリッジ VS. 松葉

結果 ○ 4×-3

結果の出ていない清田を3番抜擢も打線が重く、

エラー絡みの2点が重くのしかかる。

しかも連打の先制チャンスにその清田が併殺打

この失敗をどうするか。

その答えを、当日の試合で出す。

主審のジャッジが安定せず、不穏な空気が流れ

ながらも同点に追いつくが、継投が上手くいかず

松永内が8回に失点。さらに重い雰囲気になった

中で飛び出す一撃。

昨年の良い時のように、力感の無い力強いスイングで

右中間スタンドに清田が本塁打を叩き込む。

これで同点。

そして続く9回裏、この日の千両役者として

選ばれた清田に大チャンスがまわってくる。

そしてそれに応えるセンター返し。

印象的だったのが、それぞれのベンチの光景。

ホームラン後、清田にアドレナリン全開の

角中が近づき何やら吠えたシーン。

そしてサヨナラ後に、田村が「清さん助かった」と

御礼を言う場面。

これはそれぞれに溜まっていた失敗に対する鬱憤を、

チームメイトが返してくれた光景だ。

野球というのはチームプレイである。

5/8 先発 大嶺 VS. 西

結果 ○4-3

背信投球を続けてラストチャンスとして挑む大嶺。

オープン戦から開幕初戦に掛けて絶好調で入った

今シーズン。今まで築き上げたものを自ら信じず、

小手先でかわそうとした結果、自分を見失う。

この失敗、いや挫折は必ず乗り越えるべきだ。

相手に先手を取られながらも、粘り強く好機を待ち、

そのチャンスを得点圏打率1割台の角中がモノにする。

奇しくも前日、アドレナリン全開で清田を迎えた男が

この日のヒーローに。

盤石ながらもほころびが出つつある中継ぎ陣が、

最高のリレーを見せ、西野が幕を引く。

失敗をしてきた人たちが、修正力を見せる。

気づけば安打数は相手の半分以下。

大劣勢の中の我慢勝ち。

さながらテニスの錦織のように、調子が悪いながら

粘って最終的にはひっくり返す。

派手さは無いが、着実に拾う。

こういった戦いが出来るのは、かなり強みである。

薄氷を踏む戦いであった3連戦。

何とか持ちこたえて次に挑むはバンク戦。

「誰かが代わりにやってくれる」という気持ちが

強さを生み出しているチーム。

バンデンの無敗神話に傷をつけるのは、

苦手和田を打ち崩すのは、サファテを3連休にするのは、

もちろん空気を読まない千葉ロッテだ。