千葉ロッテ好調の要因を紐解く

好調の千葉ロッテ

首位との直接対決に今日明日とさらなる奮起を

期待しいている。

その前に、この好調の要因を振り返ってみたい。

クルーズ、今江とレギュラーが退団し、

先発投手陣の再編も起きた事から、

実績の無い選手が躍動し始めた事が挙げられる。

2軍で結果を出していた細谷、高濱をはじめ、

新外国人のナバーロ、

新人の関谷や若い二木、秋の妖精である内も

入るだろう。

これは覚醒したのか、はたまた確変か、

定かではないが、チームをけん引している事に

間違いはない。

また1軍で実績のある選手の躍動も目立っている。

データで少し振り返ってみたい。

まずはキャプテン鈴木大地

順調に伸びていたが、昨シーズン成績が下降し、

壁にぶつかった感があった選手だ。

また守備力にも難があり、小坂、西岡と見てきた

目の肥えたロッテファンのヘイトを集めていた。

しかしここまで打率がリーグ2位、守備も最近になり

積極的にこなすようになっていき、

攻めた結果でのミスが増えてきた。

この好調の要因を調べてみると、

まず挙げられるのが、積極的打法ともいえる

2球目まで打率。それが以下の通り、

2球目までの鈴木大地の打率

2014年 .361

2015年 .290

2016年 .359

2014年はチーム1位の打率であったが為に高かったが、

昨シーズンはそれが急降下した。

それを今シーズンは持ち直している。

どちらかというとプルヒッターの大地は、浅いカウントで

狙い球を力強く叩く戦法が功を奏していた。

マークをされた時に、相手投手の決め球から攻められて、

昨シーズンは迷いが生じたような感じがする。

持ち前の積極性が復活したのは、追い込まれてからの打率に

表れている。それが以下の通り、

2ストライクと追い込まれてからの鈴木大地の打率

2014年 .217

2015年 .214

2016年 .248

強みは弱点を隠すポイントである。

弱点とも言える、追い込まれてからの打率が改善。

その結果、精神的な余裕が出てきて、積極性が復活したか。

また今シーズンは広角にヒットを重ねており、

その結果、追い込まれてからの打率に好影響が生じている。

これが自主トレから取り組んでた結果か。

けん引役のキャプテンらしい成績になってきた。

そして変わった印象を持つ選手がもう1人。

糸井2世とも呼ばれ、身体能力は一級品と言われてきた男。

加藤翔平だ。

走攻守が揃っており、鮮烈な初打席アーチによって、

派手で目立つ選手が現れたと印象付けたシーズンから、

年々その成績は尻すぼみ。

いつしか浦和の核弾頭に逆戻りしていた。

しかし今シーズン、春の妖精と代わり1軍に昇格してから、

何かが変わっていた。ボールを見極めて粘れる加藤翔平がいた。

顕著に表れているのが追い込まれてからの以下成績、

2ストライクと追い込まれてからの加藤翔平の打率

2014年 .177 (2015年は100打席未満の為除外)

2016年 .273

1割も上昇している。

以前までの加藤翔平のイメージは、追い込まれると

落ちる球にクルックルで三振するか当てるだけの打撃

というものであったが、今シーズンは違うようだ。

加藤も元々プルヒッターで引っ張り方向へのヒットが多く、

前捌き意識の為にボールの見極めに難があったが、

センター方向へのヒットが増えている事から、

どこかこの意識の変革があったらしい。

ホームランは未だ出ておらず、盗塁数も少ないが、

彼のポテンシャルがようやく発揮され始めている。

投手陣に目を移してみると、もはやエースとも言っても良い

活躍を見せているのが、石川歩だ。

好調時には手が付けられなくなるが、それ以外はなかなか

勝ち星が伸ばせない、ロッテピッチャーの系譜を

継いでいたかに思われたが、今シーズンは違った。

どちらかというと、調子が悪いながらもまとめられる。

そんな試合から勝ち星を拾って、チーム1位の勝利数を

誇っている。

その要因は被打率にあると思う。

石川歩の被打率

2014年 .275

2015年 .275

2016年 .255

現在までの被打率を見ると、例年よりは下がっている。

しかし現在がシーズン中盤である事から、これは誤差の範囲。

特筆すべきは以下の内容、

得点圏にランナーがいる場合の被打率

2014年 .298

2015年 .257

2016年 .136

いわゆる得点圏被打率だ。

今シーズン、防御率トップも納得の被打率だ。

田中マーくんが24連勝をした頃に流行った言葉、

「ギアを上げる」

ピンチの場面や重要な局面で、持てる力を十二分に発揮する

この行為、これを石川が出来ているようだ。

色白の優し気な面持ちからなかなか判別はつかないが、

ピンチの時の石川は、相当に気合が入っているらしい。

ピンチを抑えた後のグラブをポンと叩くシーンは、その気合の

一端を垣間見る事ができる。

これでエースの2枚看板が出来た。嬉しい事だ。

さて今日からのホークス戦。

何とか交流戦前の借りが返せればいいが、ローテーション的に

関谷→唐川と続く。

今までのイメージからすると、打線がかなり援護をしなければ

ならない。

2球目までの大地に、追い込まれてからの翔平に是非注目だ。