田村の野球脳

野球脳。

何だか特殊な名詞が生まれる。

意味としては、

「野球におけるプレイの判断基準となるもの」か。

例えば四球の後の甘くなる初球を叩くセオリーだったり、

違和感のある守備位置へ打球を転がしたり、

教えても出来ないような事をいとも簡単にやってしまう。

そういう選手への称賛として「野球脳をもっている」と

人々は言う。

簡単に言えば「相手が嫌がるプレイができる」

それに尽きる。

千葉ロッテのキャッチャー田村は、

その「野球脳をもっている」タイプといえよう。

具体的に何があるからタイプ分類ができるという訳ではないが、

投球後の捕手からの1塁けん制や、

バットを放り投げるかのように右へ打つ軽打だったり

キラリと光るプレイが物語っていると思う。

こうした選手がチームに一人でもいると、

試合を優位に進める事がしやすくなる。

昔で言う所の西岡剛であったり、野村ID野球を行っていた

ヤクルトを引っ張る選手達であったり、

「ここでこうされたら嫌だな」と思う事を、

簡単に行って試合の主導権を握っていった面々に対する

畏怖を田村に感じる。

ありがたい事に、千葉ロッテは広報からの情報が充実しており、

無料動画でキャンプ情報が得られるようになった。

それらの情報から、田村の野球脳の育つ環境が垣間見える。

ひとつは色んなポジションで守ってみたり、

ひとつは色んな人からの助言を屈託なく求めたり、

ひとつは得意げに自分の特技を披露したりと、

「野球がかなり好き」な事が画面を通して伝わってくる。

「好きこそものの上手なれ」という言葉はやはり当たっていて、

好きな野球を生業にして野球脳が育っているのだろう。

今シーズンはバットを前方に傾け、かなりリストを使った

スイングに変えたように映る。

これでコンタクトをしっかりすれば、長打を打てるように

なるだろう。

昨シーズン2ケタホームランを放った両外国人が抜け、

チーム本塁打数が激減しそうではあるが、

恐らくこの田村が2ケタホームランを放つのではないか?

そんな予感さえする。

惜しくも侍ジャパンに選ばれなかったが、

この田村と言う人物は経験を積ませれば積ませるほど

大きくなっていく選手だ。もちろん調子にのっていく。

そして大型捕手として大成していくはずだ。

そういった面で代表監督の人選には納得がいかないが、

致し方ない。

田村が引っ張るロッテの野球。

今シーズン是非とも見せてほしい。