ベストナイン遊撃手 鈴木

鈴木大地ベストナインに選ばれた。

そして年俸も1億円に届き、名実ともに

1流選手の仲間入りを果たす。

キャプテンで全試合出場。

試合の事だけでなく、ファンサービスに

関しても率先して実行する。

若手のお手本で教材にもなる男。

他球団ファンであれば、羨ましいほどの

選手であろう。

しかし我々ロッテファンは、

しばしば彼に厳しい声を投げかける。

「守備範囲が狭い」「肩が弱い」

「チャンスで固まってしまう」等々。

守備においてイージーミスの多い選手で、

ショートにボールが飛ぶとヒヤヒヤしてしまう。

その守備を補って余りある打撃をもっていれば

良いのだが、クラッチヒッターと言えるまで

チャンスに強くなく、長打もそうそうない。

だが、打率は.280を超え、

打点が60を超えている。

打てない訳でもない。

しかもリーグナンバー1の称号、

ベストナインを受賞している。

何故、こんなに厳しい目を持ってしまうのか?

もちろん「まだまだそんなものじゃない!」

という期待の裏返しという面がある。

しかしながら、大半はこうではないだろうか。

我々ファンは現金なもので、

過去の思い出と比較してしまう場合がある。

そう、千葉ロッテには印象深い名遊撃手が

多数いた。

このブログのタイトルにもなっている小坂をはじめ、

チームを超越したスター性を持っていた西岡、

ボビーにメジャーに連れて帰りたいと言われた堀、

ロンゲをなびかせながら華麗な守備をした水上。

レジェンド級の遊撃手と比較してしまうのである。

今の鈴木大地に勝ち目はほとんどない。

小坂レベルの遊撃手がポンポン現れたら、

動画再生回数があんなに伸びる事も無く、

西岡レベルの遊撃手がポンポン現れたら、

ロッテ女子なんて言葉が流行語大賞になるだろうし、

堀レベルの遊撃手がポンポン現れたら、

メジャーリーグのスカウトが大挙マリンに来るし、

水上レベルの遊撃手がポンポン現れたら、

ロッテの遊撃手を小学生が描くものならば、

皆ロンゲになるだろうし、

それぞれの思い出の中に眠るレジェンドたちを

越えなければ、「さすが」という事に

ならないのではないか?

反対に越えられると思っているからこその

苦言なのだろう。

一時期、遊撃手であった南淵が連続出塁の

日本記録を更新した時、地味ながらも誇らしく感じた。

だが鈴木大地はそういう一過性の選手に留まらず、

日本を代表するレジェンド選手の道を歩んでほしい。

これが願いだ。