中継ぎ左腕のプライド 河本育之

西野の調子が落ちており、内と西野のダブルストッパーでも面白い。

そんなことを考えていると、以前のダブルストッパーであった、

河本育之の事を思い出した。

不人気であったピンクマリンの頃に、キラ星の如く輝いた河本。

小さな体を目いっぱい使った投球フォームから繰り出される、

140km後半のストレート。

この球を武器に押しに押しまくる投球スタイルは、

観ていて心地が良かった。

第一期のボビー時代に、成本と共にダブルストッパーとして確立され、

盤石の後ろを形成。

職人のような気質で左打者のみを押さえるそれでは無く、右打者に対しても

果敢にストレートで押していく姿勢は清々しささえ覚えた。

その球はムービングファストボールと呼ぶように動きがあったそうで、

体ごと打者に向かっていき、強い腕の振りで放たれる動くストレートは、

打者にとってはかなり脅威であったであろう。

リリーフに対するこだわり、美学を持ち合わせ、

結果を出してお金を掴んでいくという姿勢は、まさにプロフェッショナル。

残念ながら渋チンでならしたロッテからは、満足するような金額が

得られなかったようで、当時金満球団と呼ばれていた読売に去っていった。

この中継ぎ左腕というプライドを、藤田宗一が受け継ぎ、

さらに現在では松永が受け継いでいる。

河本、藤田両者に共通するのは、中継ぎ左腕のプライドだけでは無く、

ストーブリーグでの活躍とヒゲ面、そして読売へのリリース。

松永もヒゲを生やし始めたら旅立ちの合図かもしれない。