【有能コーチ】大村巌に見るコーチング論

有能コーチとして名を馳せる、

千葉ロッテ2軍打撃コーチ大村巌

ニュース記事に載る彼の言葉一つ一つに

コーチングの哲学が息づいており、感銘を受けたので、

少し紐解きたくなった。

記事内に有る言葉を引用し、コーチング哲学を見てみる。

【タイトル1 理解】

「最初にしたことは、筒香が入団してからの4年間を聞くことでした。彼がなぜ能力を発揮できずにいるのか、その障害となっているものは何なのか。そのプロセスを聞かないことには、進むべき方向を示せませんから。当時は打撃フォームもコロコロ変えていたみたいですが、彼にとっていちばん大切だったのは、どんな打者になりたいのかを明確にすることでした」

どこでも同じだが、コーチや上司が赴任してくると、

初めはよそ者という目線で観察される。

いきなり登場してあれこれ言っても、よそ者目線は

簡単には払しょくできず、逆に反発されてしまう事もある。

まずは理解をする。

そして壁を徐々に壊していき、

本当に必要な事を明確にしていく。

【タイトル2 ゴールイメージ】

「全試合、全打席で勝利に貢献する打者を目指す。現実的には年間500打席近くあるので、実はホームランを40本打つことよりも難しいんですけどね(笑)。それぐらいの気持ちを持って、無駄な打席をなくしていこうと。100打点を稼ぐのに、ホームランが100本必要かといえばそうではない。たとえば、20本塁打で30打点ぐらいですから、残りの70打点をタイムリーや犠牲フライで稼ぐことになる。それを可能にするには、多くの引き出しを持つ必要があるし、筒香はそれができる選手なんです」

「数字とか、タイトルとか、そういうのではないんです。全国のベイスターズファンが『ここで打ってくれ』と願っている場面で必ず打つ。また、『あの打席はすごかった』と、You Tubeの再生回数がとんでもない数字になる。今は、そうした子どもが憧れるような選手を目指している最中かな」

目標を共有しない事には、方針が決まらない。

理解した後に、どういうゴールを決めるか。

具体的な目標のイメージ化をする。

しかもよりイメージ化出来るよう、

分かりやすい例をいれていく。

【タイトル3 具体的なアドバイス

(肘井は)まだ調子の波があるので、技術の裏付けを進めているところ。課題は手首をこねるクセがあるので、修正している」

(平沢は)バッティング、練習、試合前、試合に100%入れる準備(が必要)

(筒香は)軸足がふらつく所があったので、エッジを利かせるように軸回転で打つ

(井上は)飛ばすのではなく強い打球を打つ意識を助言された

当時、彼(糸井)に言ったことは集約すれば2つ。『努力した者が勝つ』と『困ったら重心を低くして反対方向に打て』でした

知識と経験に裏付けされたアドバイスを送る。

聞く人それぞれが理論を持っているので、

その理論に合わせた解決策を講じる。

理解させることが重要。

【タイトル4 見守る】

9回表二死で打席に入ったのが筒香でした。あの打席、筒香はボテボテのショートゴロを全力で走って、内野安打にしました。つまり、勝利への1パーセントの可能性をこじ開けたんです。このように、勝利への貢献の仕方はいろいろあるんですよ

今季最も評価できる点は、常にチームを背負い、貢献しようとしている姿勢。今日もヒットでチャンスメークし、3点リードで迎えた8回の打席は、ともすれば一発狙いのワガママな打撃になる場面で、我慢して四球を選びロペスにつなげた。チームメートに好影響を与えていると思う

(平沢は開幕してから)一カ月が経って、二軍の球に慣れ、対応してきた。今はひとつずつ階段を上がってきている段階で勉強中

第三者の目で状況を見守る。

客観的な目で見守ってもらえている事が分かれば、

選手は安心してプレイが出来る。

【タイトル5 哲学】

「教える者は絶対にブレないこと。ブレたら選手が迷ってしまいます。筒香には自分のやってきたことを変えない自信を持ち続けてほしい。変えて人のせいにするのはよくありませんから」

同じことを言い続ける。

朝令暮改では人は理解できない。

こうしてチャプターに分けていくと、

有能コーチと呼ばれる所以が紐解ける。